2015年5月 JAMSTEC一般公開「深海総合研究棟」にて

ホネクイハナムシ (学名:Osedax japonicus)

環形動物門 多毛綱 ケヤリムシ目 シボグリヌム科 ホネクイハナムシ属
体長:1cm前後
生息水深:200〜250m

海底に沈んだ骨になったクジラの死骸を見ると大抵大量にくっついている、花のような深海生物。(花に見えるのは鰓の部分)
その正体はサツマハオリムシと同じゴカイの仲間で、「鯨骨生物群集」の一員でもある。
この生物はチョウチンアンコウなどと同じくメスの方が大きい生物で、メスは約1cmなのに対しオスは0.5mm以下と非常に小さい。
そのメスは鯨骨の中に「栄養体」と呼ばれる下半身部分を埋没させ、栄養体からクジラの骨を溶かす特殊な酵素を分泌し、
クジラの骨を溶かして自分の栄養にする。つまりこの生物がわんさか居るクジラの骨の中はスカスカの空洞状態となっている。
そのような生き方をしているためか、ハオリムシなどと同じく口や消化器官を一切持っていない。そんな生物の別名は「ゾンビワーム」。
しかしこの生物がクジラの骨を溶かしてくれる事により、他の鯨骨生物群集に栄養を分け与える事が出来るという利点が生まれるため、
他の鯨骨生物達にとってもかかせない存在。まさに鯨骨生物群集を代表すると言っても良い深海生物であろう。
また研究によれば、鯨骨だけでなく豚の骨や魚の骨にもこのように寄生する事があるらしい。
展示するにはモノホンの鯨骨を綺麗に採取したり、(骨が腐敗した事によって生まれた)硫化水素なども必要なので、展示するのは非常に難しい。
運が良ければ新江ノ島水族館やかごしま水族館などで生体を見る事が出来る。









inserted by FC2 system