2019年5月 アクアマリンふくしまにて

カイロウドウケツ (学名:Euplectella aspergillum)

六放海綿綱 リッサキノサ目 カイロウドウケツ科 カイロウドウケツ属
体長:10〜80cm
生息水深:100〜3000m

別名「ヴィーナスの花篭」と言われるほど、白く繊細に編みこまれたガラス質の籠のような海綿動物の仲間。
無機質な物体に見えるがちゃんとした生物である。体の空洞部分に海水を取り込み、海水に含まれる有機物を取り込んで生きている。
籠部分は、人間の髪ぐらい細い二酸化ケイ素で出来ており、これは成長するに従って海中からケイ素を取り込んで二酸化ケイ素に変換する事で
このような芸術的な体が作り上げられるらしい。(これはどの海綿生物にも共通する特徴である)
また(写真には居ないが)中には高確率で「ドウケツエビ」というエビが番で発見される。ドウケツエビという種類は赤ちゃんの頃に
カイロウドウケツの隙間に入り込み、生存競争で勝ち残った雌雄だけが残った状態で暮らし、そのまま中で成長した後生涯を終えるという習性を持つ。
カイロウドウケツの内部に入り込み暮らす理由は、カイロウドウケツの内部に取り込まれた海水の有機物のおかげで
一生生活出来るからであろうと言われている。カイロウドウケツにとっては良い迷惑かもしれない。
そのエビの習性から、夫婦が仲良く一緒に老いて最期は一緒の墓に入るという意味の「偕老同穴」という名前が本種に付けられた。
(しかし実際はカイロウドウケツの中と外を自由に出入りしているらしい)
捕獲率はそれほど高くなく、水族館で見られる事は少ない。
しかし、本種の標本を販売してる所がいくつかあり、恋愛が成就するという縁起の良い物として人気があるようだ。
余談だが写真に写っているエビは、ドウケツエビではなくボタンエビである。








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